ニュージーランドの高校教育の魅力5選

ニュージーランドの学校では、毎年2月が新年度の始まりだということをご存知ですか?

今はちょうど新年度開始の直前で、新しい留学生が続々と到着したり、在校生や学校の先生が新学期に向けて準備で忙しくしている時期です。

さて、今日はニュージーランドの高校教育について、日本の教育と比較しながら、重要なポイントとその魅力についてまとめようと思います。これからニュージーランドの高校留学を検討している高校生の皆さん、また保護者の皆さんにも参考にして頂けたら嬉しいです。


❶多様性と個性が尊重される教育文化

ニュージーランドは、もともとポリネシア系の部族であるマオリ族が最初に定住し、その後ヨーロッパ系の移民が入り、現在はアジア系やその他にも様々な文化的な背景を持った移民が住んでいる、いわゆる「移民国家」です。街中を歩いていても実に様々な言葉が飛び交っていて、肌の色、髪の色、ファッションもみんな違います。このような背景もあり、ニュージーランドではお互いの違いを広い心で受け入れ合い、多様性や個性を重んじる文化が定着しています。

ニュージーランドの教育現場においても、この文化がよく現れています。先生も生徒たちもお互いの違いに寛容的で、生徒一人一人の個性や能力が大切にされています。皆で何かを成し遂げる力を育む日本の学校教育とはアプローチが異なり、ニュージーランドでは個々人が独自に持っている価値観や個性、能力を引き出すことが重要視されていると言えます。


❷自由度が高い選択式の授業

日本の高校では基本的に時間割の大部分は学校側で決められており、一部分だけが選択科目ということが多いと思います。しかし、ニュージーランドの高校ではその真逆です。ほんの一部分だけが必須科目で、残りの大部分は自分で科目を選択します。そのため、自分で興味のある科目を選び、好きな分野をとことん勉強することができます。Year 11(日本の高1)では、留学生は基本的に英語、数学、理科が必須科目ですが、それ以外は選択科目です。学年が上がりYear 12(日本の高2)、最終学年のYear 13(日本の高3)まで行くと、1週間のうち、時間割はほぼ全て選択科目になります。

また、日本の高校では通常は自分たちのクラスの教室があり、担当科目の先生が代わる代わるやってきますが、ニュージーランドでは、自分たちが教室を移動し、授業を受けます。自分で科目を選び、自分で移動するという点では、日本の大学のような感じと言えますね。


❸自由時間の多い放課後

日本の高校では、放課後には学校で補習授業や部活があったり、塾や習い事があったりと、高校生はとても忙しく生活していると思います。しかし、ニュージーランドの高校では、放課後はびっくりするくらい自由時間が多く、初めて来た留学生からすると「暇だ...」と感じる人も多いでしょう。

ニュージーランドでは授業は15時くらいに終わり、その後の時間の過ごし方は個人個人に任されています。特に大きく違うのは、ニュージーランドには日本のような「部活動」が存在しないことです。放課後にスポーツ活動や芸術活動に参加できる機会はありますが、ラグビーなどの強豪校ではない限りはそこまで本格的ではなく、どちらかというと校内で放課後に参加できる「愛好会」のような活動が多いです。もし本格的にスポーツや音楽などをしたい生徒は、普通は学校外のスポーツチームや教室に通います。

放課後に自由時間が多い分、生徒たちは自分で自分の時間を管理するための自己管理能力や計画性という部分が試されます。


❹受験競争がない世界

日本では大学に入学するためには、各大学が設ける入学試験に臨みますが、ニュージーランドには、大学に入るための試験というものはありません。では、どのように大学に進学するかというと、全てはニュージーランドの高校3年間で取得した単位数とその成績で大学への入学の可否が決まります。

そのため、ニュージーランドの教育現場では「受験競争」のような感覚は全くありませんし、進学塾や予備校のようなものも存在しません。全ては個々人の3年間を通した継続した努力とその成果が評価されるということになります。


❺自立心を育む教育アプローチ

ここまでニュージーランドの高校教育の重要ポイントを見て来ましたが、共通していることは、生徒一人一人の自立心を育む教育アプローチが一貫して行われているということです。多様性を重んじる文化の中で互いの違いを受け入れ合い、その中で自分の個性やアイデンティティーを見つけ、自由度の高い選択科目で得意分野を伸ばし、自由な放課後の時間で自己管理能力が試され、また、将来の進路を見据えた計画性と自己責任という概念が、高校3年間で必然的に身に付く仕組みになっています。

協調性が重要視されることが多い日本の学校教育、それに対して個人の能力や異なる価値観が重要視されるニュージーランドの学校教育、どちらの方が良いと思うかは、本当に人それぞれだと思います。今、高校留学を検討している方は、ぜひこのような違いを念頭に入れて検討してくださいね。


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